【足跡】18話
前回までのお話👇
【足跡】17話 - eriaと五感で感じる地球 ~足跡×道しるべ~
2009.2.24
あっちゃんはパスポートを発見できて無事にバリへ発った
ちなみに前日,竜太に確認として送ったメールの返信はなかったという
私は今夜から出発するスノボーの準備を始めた
ひとまず休憩ということで、新聞や広告を流し読みしながら、母親と竜太の話をしていた時のことだった
「そぃえばオーバー(竜太)も一人旅なんて改めてすごいよね!!!1ヶ月くらいだからそろそろ帰ってくるんじゃない?」
「そーだね!!2月いっぱいって言ってたからも-すぐだと思うよ:)
1人旅でなんて想像つかないし、話聞くの楽しみだなー.....」
母親との会話で自然と竜太の話が出て
竜太の現地からのメールを読み返しながら
盛り上がっていた
~🎶~♬
(母親の携帯が鳴る)
「キャーッ!!!!」
母親は携帯を開いた途端に携帯を放り投げたが、 私は反射的にその携帯を拾いそこに書かれた内容を見て時が止まった
「中島竜太君が亡くなったと聞いたんですが詳しく知っていますか?」
背中に寒気を感じた
何言ってるの?
つぃ何日か前までメールしてたんだよ?……
「えりちゃん,きっと何かの情報と混ざって回ってきたんだよ。人違いだと信じよう?」
その言葉は私の心には響かなかった
人違いだと信じたいけど、どこかで 本人かもしれないって不安があったのだ
自然と手が動き
無心でメールを打った
「竜太元気??
こっちで変な噂が流れてるから、メール見たらすぐに返信してくれる??
返信待ってます」
竜太はマメだからきっと夕方になれば近くのネットCafeにでも行って,すぐ連絡くれるはず..........
ドク..ドク...
いつもより大きく鳴る心臓の音
動揺しているのが自分でもわかる
もうすぐ帰国するんだから
人違いだよね...
とにかく言い聞かせた
気を紛らわそうと
新聞を読みはじめた
23日の新聞..
もぅ既に読んだ新聞だ
全て目を通したはずの新聞で、一つの記事を見て止まった
【日本人大学生海外旅行中に水死】
そこには紛れも無く竜太の名前…
確かに数日前のメールでタイに戻ってきたと聞いていた
家族の前で泣かない私は
その場で必死に涙を堪え
新聞の記事を握りしめ
部屋に篭った
記事を見つめる目からは
ボタボタと涙が落ち
部屋から声がもれないように声を押し殺して泣いた
急すぎる別れ
大きすぎる存在に
思考は停止
【死】というものを理解することできず
なんとも言えない悲しみ
信じたくない現実をただただ
一人泣いて見つめるしか出来なかった
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