【足跡】8話
前回までのお話👇
【足跡】7話 - eriaと五感で感じる地球 ~足跡×道しるべ~
【父親の目線】
翌日
2009.2.21(sat)
外務省より中島家に電話が入った。
パスポートの発行の件だ。
当日は土曜日であるが,できれば住民票と戸籍標本を取ってきてほしいとのこと
まずは近所にある市役所の支所に向かう。
土曜日なのでもちろん窓口は閉まっている
戸籍謄本の発行はできなかったが、外務省の計らいでパスポートは発行されることになった
一旦自宅に戻る。
竜太はこの旅に出る前に海外保険に申し込んでいる
そう考えたくはないが,
まるでこの事故を予測していたかのように思えてしまう
保険会社に,この事故があったことを報告しなければならない
電話の受話器を手にし、
保険の証券を見て保険会社の電話番号を確認をしているはずだが、まるで時が止まったかのような無の時間
番号を見つめたまま時計の針の音だけが部屋に響く…
ぼた...
ぼたぼた…
瞬きなんてしなくても
溢れ出てくる涙
どうして,どうしてこんなことに…
この時,まだ竜太は見つかっていない
時間にして10時間以上。
考えたくないが『最悪』のことが脳裏をよぎる
行ってあげなくてはいけない
竜太はボク達を待っている
タイどこかで必死にボク達を待っているのだ
涙を拭い、ぐっと堪え、竜太のもとに行くための準備を淡々と進めた。
*上記の内容は引用した分が含まれています。
本人の許可を得た上で公開しています。
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