🌎地球と70億の足跡👣~足跡×道しるべ~

社会人になるまでほとんど友達と旅行にも行ったことのない、コテコテの箱入り娘が友人の死をきっかけにバックパッカーになったお話。 ただ、読むのではなく、感じながら一緒に地球を歩いてくれたら嬉しいです

【足跡】10話

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【足跡】9話 - eriaと五感で感じる地球 ~足跡×道しるべ~

 

【父親の目線】

 

 

 

 

 

先ほどまでの豪雨は小降りになっていた。

エイが先頭に立ち、ゲストハウスに案内してくれる。

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辺りは真っ暗。

雷の影響で停電を起こしていたのだ。

 

というよりも、
ここまで電気が通じていることが驚くような山の中であった。

 

 

 

そのゲストハウスは
竜太が流された川に浮かべて建てられている。


中に入ると、まず出迎えてくれたのがオーナーである婦人。

彼女は多少だが英語ができるようで英語で竜太が事故に遭ってしまったことを詫びてくれた。

そして、竜太と一緒に流されたが
救助が間に合ったⅠ君に会った。

 


Ⅰ君はボクらの姿を見つけるや否や駆け寄って


『すみませんでした・・・
 助けてあげられずに、すみませんでした・・・』

そう言って、泣き崩れた。

 

 


妻はⅠ君を抱き締め


『助かって、よかった・・・
 本当に助かって、よかったね』


Ⅰ君や、事故当時ゲストハウスにいたオーストラリア人は、竜太を心配し、この2日間レスキュー隊や地元の人達とともに捜索に加わってくれていた。

 

 


もちろん旅の予定を変更して。

 

 

 

ゲストハウスのオーナーは、そんな彼らの宿泊費はすべて無料にしてくれたそうだ。

 

 


泣き崩れたままのⅠ君。

ボクは言った。

『竜太は、まだ見つかってないんだよ。

 見つかってないってことは希望があるんだ。

 あいつのことだから今頃山の中をどっちに行けばここに辿り着くのか歩き回ってるさ。

大丈夫!きっと見つかるから。』

 

 

 

するとⅠ君の表情が変わり、

 

 

『そうですよね。
見つかってないんだから生きてますよね!』

 

停電した中、灯りは懐中電灯と立てられた数本のロウソクの火だけ。

 

それでも、川の大きさと流れの早さを確認することはできた。


Ⅰ君に言った言葉はボクの精一杯の強がりでもあった。